季節の食養生~Spring~

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春。

桜もあっという間に散り始めていますが、この時期、冬眠していた動物が目覚め、木々は芽吹き、花を咲かせます。

静から動、陰から陽へ転じる季節の変わり目。

私たち人間の身体ももちろん影響を受けます。

ここ数日、気温が一気に上昇。

気温の変化に身体がついていかない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そしてこの4月は、ご自身やご家族が、進学や就職、転勤など、社会生活の中で新しい環境で過ごし、いつも以上にストレスを感じている方もいらっしゃると思います。

そんなストレスフルなこの時期を健康に乗り切るための「食養生」について、書いてみたいと思います。

春になると、私たちの身体も自然と連動して、内臓が活性化し始めます。

内臓の中でも特に肝臓が活性化して、冬の間にため込んでいた要らないものを一気に出そうと働き始めます。この時期、吹き出物が出やすいのは、これが原因。体の解毒。自然の摂理ですね。

さて、肝臓の主要な働きは、代謝・エネルギーの貯蔵・解毒・胆汁の生成の4つ。

《肝臓のおもな働き》

  • 代謝:胃や腸などの消化器官で消化された栄養が肝臓に送られてきて、身体の各器官が必要とする形に変えたり、エネルギーとしてつくり出す働きです。
  • エネルギーの貯蔵:24時間働く脳にエネルギーであるブドウ糖(グルコース)を常に供給できる態勢を整えつつ、血糖値が上がりすぎないようにブドウ糖をグリコーゲンという形で肝臓に貯蔵しています。
  • 解毒:アルコールや薬品、合成添加物など身体に有害な物質を分解して無毒化する働きがあります。
  • 胆汁の生成:胆汁には、脂質の消化吸収をサポートする働きや、肝臓で処理された不要物を排泄する役割などがあり、それを肝臓で生成しています。そして胆汁を作る際、血中のコレステロールを材料にするので、コレステロールの濃度を調整するという働きも同時に行っています。

上記以外にも、肝臓は500以上の仕事をこなす大切な臓器で、運動・自律神経、情緒系を司ると言われています。

肝臓が一気に解毒しようと頑張ると、疲弊して、他の働きに影響が出ます。

肝臓が疲弊して機能が低下すると、イライラ、不眠、筋肉のけいれん、肩こり、自律神経失調症、生理不順、血の巡りの悪化などの症状がみられるようになったり、不要物の排せつが進まず、体内に老廃物がたまって、身体が重だるさや疲労感を感じたりします。思い当たるふしはありませんでしょうか?

季節の変わり目は特に、身体に意識を向けることが必要ですね。肝臓を休めてあげることももちろん大切ですが、食事でサポートしてあげるのも効果的です。

私たちの身体は食べたもの(=栄養)でできています。

食に意識を向けないで、薬で治そうと思っても、それは道理が通りません。

ウィルスや細菌などの感染症や外傷などの急性的なものに関しては、西洋医学や薬は効果があるかもしれませんが、生活習慣病は字のごとく、生活習慣が原因。西洋医学の対処療法では根治治療にはなりません。

昔から大切にしていた「二十四節気」「食養生」という考え方。

私たちは自然の一部なのですから、自然のリズムに従って、自然のものを身体に取り入れることがまた自然なのです。

加工品・惣菜の市場が今、どんどん上昇しているそうです。

とても便利なので、忙しい現代人にはありがたいのですが、便利なものには必ずと言っていいほど代償を払わされます。

その便利の代償が、本来一番大切な健康への影響だとしたらどうでしょう?

たまに食べるのは問題ありませんが、それが日常化した場合、後悔先に立たずという事態にもなりかねません。日頃からのちょっとした習慣で健康は保てます。

さて、春のこの時期お勧めの食材は、

鯛・ハマグリ・アサリ・牡蠣・カツオ・鶏肉・柑橘系のフルーツ・木の芽、・山菜・うど・ふき・菜の花・人参・筍・わけぎ・ほうれん草・キャベツ・苺・桜の花・ナツメ・アボカドなどがお勧めです。(醤油や味噌、納豆、糠漬けなどの発酵食品もお勧めですが、できるだけシンプルな原料のホンモノを)

ご覧いただくとお気付きだと思いますが、列記したもののほとんどは、春が旬のもの。季節のものを食べていると間違いないということですね。

最近のスーパーでは季節関係なく、いろんな食材が所狭しと並んでいて、何が旬なのかわからなくなってきていますが、季節の旬のものを積極的に体内に取り入れていただきたいと思います。

私も先日、畑のヨモギを採って、天ぷらにしていただきました。

勝手に生えてくるる雑草扱いのヨモギですが、昔から薬草として重宝されている植物です。

例えば、もぐさとして、お灸に使ったり、揉んで傷口に当てて止血薬に用いられたりします。その他、お風呂に入れたり、よもぎ蒸しに用いたり、お茶としても用いられます。

食用にする場合はお団子やお餅に混ぜ込むのが一般的ですが、ご飯に混ぜたり、てんぷらにしていただいても美味しいです。

旬のものはその時期以外のものに比べて、味もよく、栄養価も高いです。

おいしくないものを健康のために無理やり食べるのではなく、おいしく調理して、おいしくいただきたいものですね。

食効としては、浄血・増血作用、デトックス効果、腸内環境を整える、便秘解消、ホルモンバランスを整える、コレステロール値の改善、貧血予防、血行促進、発汗作用、抗酸化作用、リラックス作用、抗菌作用、アトピー性皮膚炎の改善、がん予防など。

驚くほどのスーパーフードです。

もちろん春に気を付けるべき、肝臓のサポートをしっかりしてくれます。

畑や里山は食の宝庫。

そして、身体を整えてくれる大きなお薬箱のようなものだと思っています。

都会に住まれている方にとっては遠い存在かもしれません。

そんな方は、お休みの日に少し足をのばして、自然に触れに出かけて行かれたり、おうちに小さな畑をもって来て、季節を感じられてはいかがでしょうか?

弊社AgriPoucher®のプロジェクトは、都会に住みながら農業を楽しむという「都市型農業」のお手伝いをさせていただいています。関心のある方もない方も、ぜひ一度ご覧になってみてください。

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