10年ほど前、友人たちと4人で貸し農園を借りて、野菜を育て始めました。
きっかけは、ただ「何となく」野菜を育てたいという好奇心。
現在では、1.6反の畑を借りて夫婦で野菜を育てたり、
今年は仲間とシェア田んぼでお米作りにも挑戦しています。
始めた頃はこんな世の中になるなんて想像もしていませんでしたが、
今ではあの時、訳もわからず始めていてよかったと心から思っています。
『ゆでガエル理論」をご存じでしょうか?
カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、
常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと
逃げ出すタイミングを失い、最後には死んでしまう。という理論。
この真偽はさておき、
一般的には、ゆっくりと進む環境の変化や危機に対して、
私たちの対応がいかに難しく大切かの比喩でよく使われます。
コロナウィルスによるパンデミックが起こって世界は一変しました。
最初はどうなるかと思いましたが、2年経ち、かなり順応し、
非日常がもはや日常となってしまっていて、
多少の窮屈さはあるけれど、
それほどの危機感は感じず、日々を過ごしていて
見えないところで世界の情勢はどんどん悪化していることに、
私たちはまだあまり意識を向けていないように思います。
更に、今年に入ってから、突然世界を揺るがす
ロシアとウクライナの戦争が勃発しました。
コロナに関しては日本にも蔓延していたので、
自分ごととして受け止めている方も多いと思いますが、
戦争に関しては、どこか他所ごと。
かわいそうに・・・
たいへんね・・・
お気の毒に・・・
こういう同情は共感ではありません。
自分には関係ないところのお話。
それより今日の夕食のメニューが決まらない方が問題!
という感覚の方も多いのではないでしょうか?
では、話を変えて。
今日の夕食のメニューは何ですか?
例えば、今日はカレーに決めたとします。
一般的なカレーだと、
お肉にじゃがいも、にんじん、玉ねぎ、カレールウ。
お買い物はそんなところでしょうか?
では、家計簿をつけていらっしゃる方、
ここにかかる金額を昨年や3年前と比較してみて下さい。
材料の値段が高くなっていませんか?
特に玉ねぎ。最近高くないですか?
お気付きかもしれませんが、
農林水産省の先日の発表では、
玉ねぎの全国平均小売価格は、過去5年の平均値の2.2倍!
なんと、倍以上の値段になっているそうです。
価格高騰の背景には、
全国の出荷量の約7割を占める北海道産玉ねぎが
昨年の夏の雨不足の影響で不作。
しかも、外食産業で多く使われる中国産のタマネギも、
円安や上海のロックダウンの影響で高値となっていて、
例年の相場の2.5~3倍近い値段になっているそうです。
そろそろ淡路など西日本のたまねぎが出回てくるので、
供給は落ち着いてくるものと思われますが、
実際この価格上昇傾向は玉ねぎだけに限った話ではありません。
最近、自然災害が多く、作物の被害が多い中、
私たちの生活が普通にできているのは、
海外輸入にお世話になっているからです。
こちらのコラムでも取り上げているように、
現在の日本の食糧自給率は戦後まもない貧しい時代よりも低いのです。
小麦にいたっては90%が海外輸入。国産小麦はわずかに10%。
私たちの消費する小麦のほとんどを供給してくれているカナダ、アメリカ、
生産量世界2位のインドや中国も、世界的に不作の年となっていて
供給量が減少している上に
両国で世界の生産量の15%を占めるロシア・ウクライナ間の戦争の影響で、
今年の4月から更に輸入小麦の政府売り渡し価格が約17.3%引き上げられました。
前の年の同じ月と比べると
なんと56.2%の上昇と大幅な値上がりになっているのをご存知でしょうか?
粉もん好きの関西人には大打撃です!
スイーツやパンはもちろんのこと、
大好きなお好み焼き、焼きそば、たこ焼き、ラーメン、うどん…
価格上昇や品薄によって、口にすることができなくなる日が来るかもしれません。
インドでは、自国の食糧確保のため、一時期小麦の輸出禁止していました。
当然のことだと思います。
輸入に頼る日本にとっては危機的状況をもたらしますが、
国民をまず守る。それが国として当然のこと。
これは小麦だけの問題ではなく、今は解除されていますが、
インドネシアは一時期パーム油の輸出を禁止していました。
パーム油はあらゆる加工品や洗剤類に不可欠な油。
身体や環境、人道的に良い悪いは別問題として、
スーパーで販売されているものの多くに使用されていて、
熱帯でしか採れないものなので、輸入されなくなると
スーパーの店頭に並んでいる物資の供給が一気に滞ります。
ちなみに先ほど挙げたカレールウにも
パーム油も小麦粉も使われています。
ついでに言うと、魚介類も2ケタ上昇しています。
かき(貝)は21.2%、たこは19.3%、まぐろは17.2%。
あじ、かつお、さんま、塩さけなども10%強の値上がり。
家計を預かる主婦にとっては厳しい現実ですね。
このように、直接大きな影響を受けるにも関わらず、
私たちの生活は世界情勢の動向に大きく揺さぶられていることを
知らなさ過ぎているように思います。
私自身も今回コラムを書くにあたっていろいろ調べて
初めて知ったことがたくさんありました。
その影響を受けている中でも、
私が今1番懸念しているのは肥料の高騰です。
三大肥料である窒素・リン酸・カリの原料は、
世界有数の肥料輸出国であるベラルーシに対する経済制裁と
昨年10月からの中国の輸出規制などにより、
需給がひっ迫して価格が高騰していました。
そこにきて、今年2月のロシア・ウクライナの戦争。
さらに需給に供給が追いつかず、
肥料の国際市況は、すべてが史上最高値まで上昇しています。
全農によると前回の高騰は2008年で、
カリは国際市況で1tあたり1000ドルを超えましたが、
今年3月にはそれよりも高い1200ドルまで上昇したそうです。
悪条件は重なるもので、円安の急激な進行も値上げに影響しています。
農薬・化学肥料を使った慣行農法が大半を占める日本では、
少なくとも野菜の高騰は免れないと思います。
そして、長期的な目線で見た場合、
恐ろしい問題に直面することになります。
肥料の高騰により、農家の負担が大きくなるので、
肥料を使わず野菜を作ろうと思っても無理な話で、
これまで長年の間、肥料や農薬を使っていた土地では、
微生物が死んでしまい、土地が痩せてしまっているので、
数年間は野菜がこれまでのようには育ちません。
そうなると、長年やってきたやり方ではうまくいかず、
手間もかかるので、高齢化した農家さんたちは
どんどん離農していきます。
作り手がいなくなると、もちろん野菜の数量が減少。
高騰どころの騒ぎではなく、
手に入らないという現実が差し迫ってくるということになります。
想像力を働かせてみましょう。
国の対策を待って、何もせずにいる場合ではありません。
個々がそれぞれに少しずつでもいいから、
何か動いていく時が来ていると感じています。
『週末農業』という言葉があります。
週末だけ郊外に市民農園を借りて、畑で野菜を育てる生活。
大いに賛成です!
ですが、なかなかそれも敷居が高かったり、
都会の真ん中に住んでいる方には難しいことかもしれません。
では諦めないといけないのか?本当に無理なのか?
地球Laboは、地球のため、人のために何かできることを提供する企業として、
畑を都市に持ってくるという逆転の発想で、AgriPoucher®︎を開発いたしました。
ベランダを畑に!これなら誰にでもできます!
有事があってからでは辛いし、遅過ぎます。
まずは、今から余裕を持って、楽しくおしゃれに野菜作りを始めてみませんか?
★6月に種蒔き・苗植えできるお勧めのお野菜は
オクラ、とうもろこし、小松菜、青梗菜、きゅうり、落花生など。
今からでも間に合います!
オクラは次々育つので、比較的長期間収穫できます。
落花生は実の成り方に感動します。
AgriPoucher®︎は深さがあるので、とうもろこしもしっかり根を張ることができます。
育てる楽しみを、ぜひ味わってみて下さい。
初めての方でもトライしやすい AgriPoucher®︎栽培キットはこちらからご購入いただけます→https://chikyu-labo.shop/items/6209e674acbcb07fe38d8e10
お勧めの参考書は最近発売された
「やさいがよろこぶ、なちゅらるプランター 小さな大地から始まる物語」三浦伸章・上野宗則
三浦伸章さんは自らを「自然農法楽天家」と名乗られていますが、
地球や野菜と対話しながら、
長年自然農法を研究をされているユニークな方で、
「地球は完璧!」という名言には短い言葉の中に、
深い意味が込められていると個人的には思っています。
よろしければ、参考になさってくださいませ。