節分も終わり立春、暦の上では春を迎えました。
ポカポカしたお日さまの暖かさに、少し春を感じますね。
節分というと2月3日のことと思いますが、「節」というのは、気候や時期の変わり目や、物事のくぎり目という意味もあり、日本の暦では、春分や夏至、秋分や冬至、大寒など一年間に24節気あります。
それらは、季節のくぎり目をさし、それぞれの節気を分けるということで「節分」というそうです。
節分といえば立春の前の日、2月3日だけではなかったのですね〜。
さて、今回のコラムは、種のことを書いてみました。
と言いましても、このジャーナルでも何度か触れている話題でもありますが、
先日、どこでだったか『固定種の種が食糧危機を救う?』というタイトルを目にしました。
後でゆっくり読んでみようと思ったものの読むことができなかったので、内容はわからないのですが、
それを目にした時に、そうかもしれないなぁ、と思ったのです。
地球Laboでは、固定種・在来種の種のみを提供していますが、世の中の多くはその逆です。
一般的に売られている野菜の多くは、F1種の種から出来た野菜です。
F1種とは雑種で、植物の花が咲くと、雄しべだけを全てカットし他の雄しべをそこへ受粉させ実らせるというところから始まりました。
1925年に、雄しべを持たない玉ねぎが発見されました(雄性不稔という)。これは、ミトコンドリア遺伝子の異常であるということが後にわかるのですが、雄しべを持たないのであれば手間を省くことができ、より多くの種子を大量に作ることができることから雄性不稔の研究が進みました。
日本では、1944年に雄性不稔の植物が発見され、玉ねぎからスタートしたF1は、とうもろこし、にんじんetc、と開発されていきました。
雑種第一代(F1)では、優性の形質のみが現れ、劣勢の形質は現れないという『優劣の法則』に則ったもので、当然ながら二代目以降は劣勢の形質が現れてくるということで、結果毎年種を買うことになります。
では、何故ここまで増えてきたのでしょうか。それは、F1種の特徴が大きく影響しているのではないでしょうか。
発芽時期や、生育期間がそろいやすく見た目も均一、大量生産や収穫も一斉に行えることから、商品になりやすいこと、何回転するかで大きく変わってくることを考えると、とても便利な種なのかもしれません。
一つ二つではなく時代背景や、高度成長期における人口の増加、国の政策、経済的な要因、様々な理由があるように思います。
こんな話を聞きました。
オクラが大好きで、毎日オクラを食べていたご主人がいらっしゃいました。
奥さんが、種の話を聞いて昔から種を繋いできた種から出来たオクラに切り替えて食べるようにしたところ、
8年間待ち続けた新しい命を3ヶ月で授かったというお話。
雄性不稔を過剰に疑問視する必要はないという記述も多くあります。
そして、この方の妊娠もそれが理由と断定できないかもしれませんし、雄性不稔が問題と証明されているわけではないかもしれません。
しかし、自然のままではない違和感が、確かにそこにあるような気がしています。
とはいえ、私自身も勿論それを食べてもいますし、玉ねぎ、にんじん、とうもろこし等に至っては、ありとあらゆるものに加工されその恩恵も受けています。
一方で、昔から脈々と世代を繋いできた種があります。
大量生産出来ないと言われていたり、大きさもバラバラなど、果たしてこのようなことがデメリットなのでしょうか。
見る方向によってはそうかもしれませんが、それ以上に素晴らしい自然の力を持っているといえるのではないでしょうか。
固定種・在来種とは親と同じ形質を持った種が出来ます。自家採取した種を翌年撒いても同じ品種の作物を育てることができます。
代々その土地で生育していくために必要な遺伝情報を保有し、その土地の気候や風土に適応していく力があります。
農薬や化学肥料がない時代からずっと栽培されているのです。
そのような種をしっかりと繋ぎ、作物を作り続けておられる方もいます。
一粒で万倍と言われている種は、その次の年は1億粒になります。
生産者目線からすると、なかなか難しい部分も時にはあると思います。
ですが、100%消費者だった人が少しの生産者になってみようとする時、
この種を蒔いてみるのは、とても意味深いことのように思います。
大量に生産できなくても、長く収穫を楽しめたり、種取りをしてまた撒く楽しみもあります。
そして、その種を未来へ繋いでいくことができたら素敵だなと思います。
今回はこの辺で。