循環・・・ひとめぐりして、もとへ戻ることを繰り返すことー。
水の循環。
炭素の循環。
資源の循環。
私たちの体内で起こる血液の循環や自然界の中で起こる命の循環。
生きていく上で、この「循環」というサイクルからは抜けることができません。
言い換えれば、誰しもが必ず他の何かに助けられて生きているということになり、また、誰かしらに影響を与えているということにもなります。
今回はこの循環について少し触れてみたいと思います。
周食散布ってなぁに?
私たちと違い、植物たちは自ら移動することができません。
自分の力だけでは種(しゅ)を守り、存続させていくことが厳しい植物たちは、他の力を借りることにしました。
風の力を借りてタネを飛ばしたり、虫たちに花粉を運んでもらったり、動物に自らの実を分け与えることで、より遠くまでタネを運んだりー。
動物が果実を食べることでタネを体の中に取り入れ、糞として排泄をすることからタネが散布されることを「周食散布」と言います。
移動できない植物にとっては、他の動物との接点があることが、自らの種を増やしていく絶好の機会です。
中には果実が食べられることによって、その種子が発酵し、そのおかげでより発芽しやすくなっている植物もあるようです。
そのため、タネは動物たちの体内で消化されたり傷ついたりしないよう、硬い殻で覆われています。
哺乳類は鼻が発達し、鳥類は目が発達しました。
近くにタネを散布する植物は哺乳類の力を借りますが、哺乳類の鼻が発達していることを知っているのか、その香りで哺乳類たちを誘惑します。そうして、自らの芳醇な香りの果実を食べてもらうことでタネを散布してきました。ちなみにこれらの植物は、実は、人間の好みの味だそうです。
そして、もっと遠くに種を散布したい植物は、色が鮮やかな実をつけます。そう。目が発達した鳥たちに食べてもらうためです。鳥たちが好む果実は、人間の口には合わないそうです。
こういった、タネの構造や果実の香りや鮮やかな彩りは、一体誰が意識をしてそのように進化したのか。偶然という言葉ではとても表せれない、何かの意図があると感じずにいられません。
リトルアボカドという、私たちの食卓にも出てくるアボカドの原種にあたる植物があります。
このリトルアボカドは手塚治虫さんの「火の鳥」のモデルで、世界一美しいという鳥のケツァールとの関係は切っても切れません。
ケツァールはリトルアボカドが大好物。
その実を丸呑みすると、胃の中で実とタネに分離し、タネだけを吐き出します。
不思議なことに、このリトルアボカドは、ケツァールが食べて吐き出したタネしか発芽しないそうです。ケツァールは自分達の種を守るためにリトルアボカドを食べ、リトルアボカドは自分達の種を守るためにケツァールに果実を提供しています。
お互いが反映し続けるための契約を交わしているかのような共存関係ですね。
このような共存関係は、自然界にたくさん存在しています。
今は何巡目なんだろう??
植物たちのタネの散布方法は本当に様々ですが、実を作り、他の動物の命を支え、その動物の力を借りてまた植物が芽を出すというサイクルの循環は、地球ができてからこれまでずっと続けられてきた地球の営みの一部です。動物たちが森の植物を豊かにし、その豊かさを見えない微生物たちがまた支えて、豊かな森が、豊かな川や海を作り出し、水はまた雨となって山に降り注いで、あらゆる生命を支えています https://chikyu-labo.com/森づくりは地球づくり/
そして、この営みは地球がある限り、この先もずっとずっと続いていきます。
循環を繰り返して繰り返して何度も何度も繰り返して、今私たちの体に入って来ているものは何巡目を迎えているのでしょう…
私たちの何代も何代も前の人たちが口にしたものが、地球の営みの中で循環し、また私たちを生かしてくれている。
もう当たり前すぎて普段はなかなか気づかないことかもしれませんが、ふとそのことに目を向けると、本当に壮大な営みの中にいることに胸が躍る感覚になり、感謝の気持ちでほっこりしてきますね。
循環のお話、また次回はテーマを変えて触れていきたいと思います。
追伸:そんな小さな循環生活を体験できる、私たち地球Laboが提案するAgriPoucher®︎のページがリニューアルいたしました!思いがこもった素敵なページができて、私たちも大変気に入っています!ご興味ある方はこちらから→ https://chikyu-labo.com/agripoucher-special/