ゴールデンウィークはお休みをいただいていて、
久しぶりのジャーナルとなります。
.
今回はお醤油作りを通して学んだことを
テーマにお届けいたします。
.
手前味噌を仕込む方は多いでしょうが、
手前醤油を作っている方って、いらっしゃいますか?
.
私は3年前にご縁をいただき、
醤油作りのワークショップに参加して以来
1年間の醤油を冬場に仕込んでいます。
.
今年は宿泊合宿に参加。
全行程を体験して、
いよいよ今季からは自宅で仕込もうと計画中。
そんなことをもくろんでいたら、
家庭用の醤油搾り舟を作るワークショップに
参加する機会を得て、
仕込むだけではなく、搾るまでの工程を
すべて自宅でできるようになりました。
.
簡単な醤油作りの工程をお話すると
原材料は
大豆・麦・種麹・塩・水のみ
いたってシンプルです。.
麦を炒って,粉にし、
茹でた大豆と麦と種麹を混ぜ合わせ
温度管理をしながら
2日間程度発酵させていきます。
その間、大豆の中に菌糸が入って
緑色に花が咲いたら
塩を混ぜ、水を加えます。
これで醤油醪(もろみ)が完成.。
.
その後、半年以上かけて、
時々かき混ぜながら、
その醪を育てていきます。
ごくごく簡単に言えば、
そんな工程です。
.
これはあくまで私たち人間の作業
工程の大部分はこうじ菌が
担ってくれています
私たちは
こうじ菌が働きやすいように
温度や湿度を調整しながら
ただお手伝いをするだけ
.
以前もジャーナルで書きましたが
人間は生態ピラミッドの頂点
食物連鎖の中で人間は
単なる消費者でしかありません
土台を支えてるのは
目に見えない生物、微生物なのです
微生物が生産者となって
私たち人間の消費に
貢献してくれているのです
.
発酵食品は微生物の働きによるもの
特に日本はこうじ菌を国菌と定めている唯一の国
日本酒・みりん・酢・みそ・醤油・納豆・甘酒・漬物・・・
食べていない日がないほど、菌の恩恵にあずかっています。
(余談ですが、地球Laboで取り扱っているコンポストも
働いているのは目に見えない菌類です♪)
.
仕込んだ醪はゆるいお味噌みたいにドロドロ。
これを搾って、醤油にします。
自宅で育てた醤油醪を数人で持ち寄ると
まず、その違いに驚きます。
.
それぞれみんな、味も濃度も色も異なります。
育てている環境、温度や湿度、風通しや日照時間、
手のかけ方やその家の菌の種類や数、バランス・・・
同じ条件はありえないので、同じものはできなくて当然。
みんな違った醪ですが、そこには優劣はなく、どれもおいしい。
これが「味」なんだと思います。
.
搾った後、火入れをして、静かに数日間おいて
浮遊物を沈殿させ、澄んだ醤油を瓶詰めします。
置いておくと、
瓶の口付近に白く固い「産膜酵母」ができます
一見カビに見えますが、
実はこれが天然のふたとなります。
天然自然の素晴らしさにひとつひとつ感動します。.
.
スーパーに行って、お金さえ払えば
いつでも同じ味に統一された安定した醤油を
手に入れることができます。
.
でも醤油作りを始めた人はみなさん
もう市販のお醤油は買いたくないと
口をそろえて話します。
醤油作りを面倒くさいものとは捉えず、
豊かな時間、最高の贅沢だと話します。
.
時間をかけ、思いを込めて育ててきた大切なもの。
市販のものとは価値が全く違います。
1滴も無駄にしたくなく、
大切に使って、ていねいに味わっています。
.
搾ったあとの搾りカスも肉や魚を漬けたり、
ふりかけにしたりして、無駄なく食べるので、
ゴミも出ません。.
搾り袋を洗った水はお風呂に入れると
お肌がつるっつるになります。
天然のアミノ酸パワーです。
.
そんなことを楽しみながら
醤油作りを通して、
「豊かな暮らし」について考えました。
.
価値=お金ではなく
お金の多さ=豊かさでもない
価値は自分が感じるものであって
心の豊かさは
お金で得れるものではないということ。
.
大量に作って大量に売る、
消費するだけ、使い捨ての時代はもう終わりました。
地球の人口増加、気候変動、コロナ、戦争
いろんな要因が合わさって、
今、価格高騰。食糧危機が叫ばれています。
.
お金がいくらあっても
食糧を手に入れられない時代が来るかもしれません。
そういう時代の回避策として
昆虫食の推奨なども話題になっています。.
そんな中、今日新たに田んぼの横に
大きなソーラーシステムが建設されていました。
最近ものすごく増えているように感じています。
高齢化によって、農業をやめた農地が
どんどん発電地になっていっています。
.
食糧難が迫っていると言いつつ
一方では食料を生みだす農地を
どんどん減らしていっているという
理解のできない矛盾に
とてもモヤモヤしますが
感情的になるだけではなく、
.
自分の生活や社会の動きに目を向けながら、
いろんなことを感じ、考えたいと思います。
.
自分自身にとって何が豊かなのか?
今の生活をこのまま続けていたらどうなるのか?.
国や行政に私たちの未来を
丸投げ状態で委ねるのではなく
私たちひとりひとりが
未来を作っていく意識を持つことで、
社会はよくなり、世界は変わる。
そう信じているので、
そのために私に何ができるのか?
しっかり考えて、行動したいと思います。
.
お醤油作りはそのひとつ。
楽しみながら豊かな自然の力を借りて
生み出せる技術を自分が得て、
周りの人にも伝え、広げること。
.
とても大切なことだと思っています。
つないでくれたご縁に感謝。