醤油作りを通して感じたこと

Facebook
Twitter

ゴールデンウィークはお休みをいただいていて、

久しぶりのジャーナルとなります。

.

今回はお醤油作りを通して学んだことを

テーマにお届けいたします。

.

手前味噌を仕込む方は多いでしょうが、

手前醤油を作っている方って、いらっしゃいますか?

.

私は3年前にご縁をいただき、

醤油作りのワークショップに参加して以来

1年間の醤油を冬場に仕込んでいます。

.

今年は宿泊合宿に参加。

全行程を体験して、

いよいよ今季からは自宅で仕込もうと計画中。

そんなことをもくろんでいたら、

家庭用の醤油搾り舟を作るワークショップに

参加する機会を得て、

仕込むだけではなく、搾るまでの工程を

すべて自宅でできるようになりました。

.

簡単な醤油作りの工程をお話すると

原材料は

大豆・麦・種麹・塩・水のみ

いたってシンプルです。.

麦を炒って,粉にし、

茹でた大豆と麦と種麹を混ぜ合わせ

温度管理をしながら

2日間程度発酵させていきます。

その間、大豆の中に菌糸が入って

緑色に花が咲いたら

塩を混ぜ、水を加えます。

これで醤油醪(もろみ)が完成.。

.

その後、半年以上かけて、

時々かき混ぜながら、

その醪を育てていきます。

ごくごく簡単に言えば、

そんな工程です。

.

これはあくまで私たち人間の作業

工程の大部分はこうじ菌が

担ってくれています

私たちは

こうじ菌が働きやすいように

温度や湿度を調整しながら

ただお手伝いをするだけ

.

以前もジャーナルで書きましたが

人間は生態ピラミッドの頂点

食物連鎖の中で人間は

単なる消費者でしかありません

土台を支えてるのは

目に見えない生物、微生物なのです

微生物が生産者となって

私たち人間の消費に

貢献してくれているのです

.

発酵食品は微生物の働きによるもの

特に日本はこうじ菌を国菌と定めている唯一の国

日本酒・みりん・酢・みそ・醤油・納豆・甘酒・漬物・・・

食べていない日がないほど、菌の恩恵にあずかっています。

(余談ですが、地球Laboで取り扱っているコンポストも

働いているのは目に見えない菌類です♪)

.

仕込んだ醪はゆるいお味噌みたいにドロドロ。

これを搾って、醤油にします。

自宅で育てた醤油醪を数人で持ち寄ると

まず、その違いに驚きます。

.

それぞれみんな、味も濃度も色も異なります。

育てている環境、温度や湿度、風通しや日照時間、

手のかけ方やその家の菌の種類や数、バランス・・・

同じ条件はありえないので、同じものはできなくて当然。

みんな違った醪ですが、そこには優劣はなく、どれもおいしい。

これが「味」なんだと思います。

.

搾った後、火入れをして、静かに数日間おいて

浮遊物を沈殿させ、澄んだ醤油を瓶詰めします。

置いておくと、

瓶の口付近に白く固い「産膜酵母」ができます

一見カビに見えますが、

実はこれが天然のふたとなります。

天然自然の素晴らしさにひとつひとつ感動します。.

.

スーパーに行って、お金さえ払えば

いつでも同じ味に統一された安定した醤油を

手に入れることができます。

.

でも醤油作りを始めた人はみなさん

もう市販のお醤油は買いたくないと

口をそろえて話します。

醤油作りを面倒くさいものとは捉えず、

豊かな時間、最高の贅沢だと話します。

.

時間をかけ、思いを込めて育ててきた大切なもの。

市販のものとは価値が全く違います。

1滴も無駄にしたくなく、

大切に使って、ていねいに味わっています。

.

搾ったあとの搾りカスも肉や魚を漬けたり、

ふりかけにしたりして、無駄なく食べるので、

ゴミも出ません。.

搾り袋を洗った水はお風呂に入れると

お肌がつるっつるになります。

天然のアミノ酸パワーです。

.

そんなことを楽しみながら

醤油作りを通して、

「豊かな暮らし」について考えました。

.

価値=お金ではなく

お金の多さ=豊かさでもない

価値は自分が感じるものであって

心の豊かさは

お金で得れるものではないということ。

.

大量に作って大量に売る、

消費するだけ、使い捨ての時代はもう終わりました。

地球の人口増加、気候変動、コロナ、戦争

いろんな要因が合わさって、

今、価格高騰。食糧危機が叫ばれています。

.

お金がいくらあっても

食糧を手に入れられない時代が来るかもしれません。

そういう時代の回避策として

昆虫食の推奨なども話題になっています。.

そんな中、今日新たに田んぼの横に

大きなソーラーシステムが建設されていました。

最近ものすごく増えているように感じています。

高齢化によって、農業をやめた農地が

どんどん発電地になっていっています。

.

食糧難が迫っていると言いつつ

一方では食料を生みだす農地を

どんどん減らしていっているという

理解のできない矛盾に

とてもモヤモヤしますが

感情的になるだけではなく、

.

自分の生活や社会の動きに目を向けながら、

いろんなことを感じ、考えたいと思います。

.

自分自身にとって何が豊かなのか?

今の生活をこのまま続けていたらどうなるのか?.

国や行政に私たちの未来を

丸投げ状態で委ねるのではなく

私たちひとりひとりが

未来を作っていく意識を持つことで、

社会はよくなり、世界は変わる。

そう信じているので、

そのために私に何ができるのか?

しっかり考えて、行動したいと思います。

.

お醤油作りはそのひとつ。

楽しみながら豊かな自然の力を借りて

生み出せる技術を自分が得て、

周りの人にも伝え、広げること。

.

とても大切なことだと思っています。

つないでくれたご縁に感謝。

ジャーナル一覧へ

株式会社 地球Labo

〒6650005 大阪府 大阪市北区堂島浜1-4-4アクア堂島フォンターナ3F

Copyright © Chikyu Labo. All rights reserved.