調和をもたらす日本人の特性

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暑さが本格的になってきました。

まだ夜は涼しさを感じますが、それでも少し動くと汗が出てきて冷たい飲み物が欲しくなりますね。

これから夏本番。

日本の夏といえば、花火や盆踊り、浴衣、スイカ割り、海水浴にかき氷、蝉、素麺。

「夏」というだけでいろいろなワードがこうして出てくるのは、私たち日本人が四季に恵まれ、それぞれの季節を感じながら自然と調和し楽しんできたからかも知れません。

最近ではどの家庭にもクーラーが設置されるようになり、この時期に軒下に吊るされた風鈴も見かけることが少なくなってきました。

風鈴で涼しくなる?

風鈴の発祥は中国と言われています。

元々は風鐸(ふうたく)という魔除け道具として、奈良時代に遣唐使によって仏教とともに伝えられたもので、当時は涼しさを楽しむためのものではありませんでした。

竹の枝にぶら下げ、風向きや音の鳴り方によって吉兆を占った「占風鐸(せんぷうたく)」が起源とされています。

日本に伝来した当時、風鐸の「ガランガラン」という音が魔除けになるとして、貴族が軒下に吊るしていたそうで、今でもお寺や神社の屋根の四隅に吊るされているのをみることができます。

この風鐸が風鈴と呼ばれるようになったのは平安時代から。

この時代の風鈴は青銅製で今のようなガラス製ではなく、短冊もついていませんでした。

江戸時代に入ると医療道具として長崎の出島からガラスが伝来(ガラスの伝来には諸説あり)そこから風鈴もガラス製に様変わりしていきます。

ただ、当時はガラスが非常に高価なもので、現在の価格だと一つ200万〜300万円ほどの金額に換算されるとか。

現代のようなスタイルで風鈴を楽しむようになったのはそこからまだ先で、ガラスの原材料が安価になり手に入りやすくなってからで、庶民の手に届くようになると、夏は軒下に吊るし、秋になると、鈴虫の鳴き声を楽しむためにしまっておいて…という流れになっていったようです。

この時の情景を思い浮かべると、ちょっと心が豊かになったような気分になります。

暑い夏を楽しみつつも、涼しい秋の虫の鳴き声を待つかのように風鈴の音を楽しみ、風に吹かれて揺れる短冊を見て風を感じて、心にも風が吹いたような感覚になってまた涼しさを感じて。

この風鈴の音から涼しさを感じるのは日本人独特の感覚のようです。

とある番組の実験で30℃の部屋に3人の外国人を入れて風鈴の音を10分間聴かせたところ、外国人は3人とも肌の表面温度が上昇したのに対し、同じ状況下で日本人は肌の表面温度が3人とも下がったという結果が出ました。

結果からみると外国人の3人は風鈴の音によって暑い夏を連想して体が反応し、日本人はその逆になったということになります。すべての人に当てはまることではありませんが、これはとっても面白いですね。

虫の鳴き声、風鈴の音、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、波の音…。

これらは周波数の1/fの揺らぎを含んでいて、癒しの効果があると言われています。

風鈴の音で暑さをイメージした外国人の方々も、1/fに揺らぎで癒しは感じているようですが、そこから涼しさには結びつきませんでした。

八百万の神

日本人は古来の神道の中で、この世に存在するすべての物に神様が宿っていると考え「八百万の神」として崇める風習がありました。

言葉にも音にも自然物にも、動物や虫にも、生活空間にも神様が身近にいると考え、たくさんの物を大切にし、調和をすることを得意としてきました。

だからこそ、仏教が伝来してもキリスト教が伝わっても、それをまた受け入れ、それもまた八百万の神の1人として考え、生活の中に自然と浸透させているのかも知れません。

以前、こちらの投稿で日本人は虫の鳴き声を左脳で認識しているということに触れました。

左脳で認識するということは、言葉として捉えていること。

この仕組みは、単なる仕組みとしてだけ見たらそれで終わってしまいますが、ここで勝手に妄想を膨らませると、もしかして日本人は人間以外のいろいろなものと対話してきたのかも?と思ったりしてしまいます。

虫の鳴き声を左脳で言語として捉える日本人は、虫の鳴き声や鳥のさえずりも、風に揺れる葉の音や川のせせらぎも、楽しみ、理解しようとしてきたと捉えることはできないかなぁと。

そして、これは調和をしようとしていることの現れかも知れないですね。

世界中のあらゆる人種とも調和をし、地球上のあらゆる存在に思いやりを持って接することは私たち日本人の生まれ持った使命かも知れません。

なんだか妄想が止まりませんが、今日はこの辺で。

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