「エディブル・エデュケーション」って何?
エディブル・エデュケーションは、「食べられる教育」としてESY(エディブル•スクール•ヤード)の実践から体系化されてきました。既存の食育概念を超え、生きる力、学力、市民教育、環境に対する責任、自分自身のみならず他者の健康や社会の健康なども含まれた全人教育のモデルであると言えます。
持続可能な生き方、エコロジーを理解する知性、自然界と結びつく情感的な絆を前提に置き、〈必修教科+栄養教育+人間形成〉の3つをゴールに、各々の学習目的を融合させる教育を「エディブル・エデュケーション」と呼んでいます。そこには食べることそのものだけでなく、食を通じて学ぶことができるすべての教育的可能性が含まれています。
持続可能な生き方のための菜園学習プログラムです。
その発端は、地域に住むレストラン経営者のアリス・ウォータースが、食の崩壊と学校荒廃を同じ視点でとらえ、地元新聞で問題提起したことがきっかけとなっています。そしてキング中学校では、校内の駐車場だった場所に生徒、地域住民、先生たちが力をあわせて美しい菜園をつくって行きました。
「食べられる校庭」と名付けられたこのガーデンでは、自然を敬い、食を心から味わい、エコロジーを学ぶ授業が行われています。特徴的なのは、学校の教員に加えて、ガーデンティーチャーやキッチンティーチャーが存在していることです。学校の中に専門家が配置され、児童・生徒に「教える」だけではない、体験からの生きた学びを引き出し伝えます。
創始者のアリスはESYでの学びを「どれも一度体験したら、一生変わらない大切なことばかりだ」と言います。食べ物の由来や育て方、味覚、栄養、食と地域とのつながり、生きる力を学ぶとともに、大人の関わりなどの「あり方」を示す教育プログラムなのです。
近年食育という言葉は、よく耳にするようになりました。昔はその全てが家庭の中で体験できました。自分の食べるものは、どこでたねが蒔かれ、どこで育ち、収穫され調理され、食卓に上がるまでには多くのストーリーが存在します。
「You are what you eatー何を食べるかがその人をつくる」という格言があります。私達は食べ物でできているのです。現代の子ども達の孤食の問題、カロリー過多の食事、食品添加物や農薬まみれの野菜etc…抱える問題は山積みです。
学校の中でこのような「食べられる校庭」というガーデンがあるとは、なんて素敵なことなのでしょう。既存の食育の概念を超えて、栽培を通じて理科や数学を学び、育てたものを収穫する喜び。キッチンでは手の感触や香り、五感をフルに使って調理する。本物の食べ物を食べることでのワクワク感。協力し合うことでそこに会話とコミュニケーションが生まれる。自分達で育てたオーガニック野菜で、時には給食も作れたら感動ですね。
食べることはいのちを繋ぐこと。そして、美味しいものを食べる喜び楽しさ。美味しいものを分かち合って食べましょう。そこには、会話が生まれ笑顔があふれます。体験を通じて、「ともに育て、ともに食べる、いのちの教育」持続可能な未来を作る教育手法ではないかと思います。
このような体験を、家庭や小さなコミュニティ、更にはマンションの屋上を使用したり、オフィスでもできるとしたらどうでしょう。都会に住んでいても、庭がなくても。
AgriPoucherで、たねを蒔こう!
育てる楽しさと喜びを体験してみてください。時には育たないこともあるという学びもあるでしょう。収穫する喜びはひとしおです。そして、一緒に食べてみてください。その後は、是非採取してみてください。その循環が人間の本来の姿なのではと思います。その広がりが、地域を変え、国を変え、地球を変えるのではないかと思います。
Spring is Here !