プラスチックがこの世に生まれて150年ほどが経ちました。
1860年代にアメリカでセルロイドが初めてのプラスチックになり、それ以降種類はどんどん増え続けて、今ではその数は100種類以上にもなっています。
物を入れる容器や包装用として使われたり、電化製品や文具、おもちゃに使われたり、住宅の建材や医療用に使われたりと、あらゆる場所で用いられ、今では切っても切り離せない存在となっています。
今回はそのプラスチックの話です。
年間約4億トン
世界のプラスチックの年間生産量です。
このうち800万トンをごみとして海に流出し、海の生態系に大きな影響を及ぼしています。
これはなんとジャンボジェット機5万機分、東京ドーム7個分の重さに匹敵します。
魚や鳥たちがそのゴミを食べてしまい、今度は食物連鎖でプラごみを食べた魚や鳥をその捕食者が食べて、さらに体内にプラごみを溜め込む。
こうして蓄えられたプラスチックにより、動物たちの体は正常に機能しなくなったり、異常な行動を起こすことにつながっているそうです。
生殖機能に異常をきたすことによって繁殖力が低下したり、発達異常の原因になったり、直接的な死に繋がったり…。
実に29%の海鳥が胃袋の中にプラごみを飲み込んでおり、2050年までには海鳥のうち99%がその脅威に晒されるようになるとさえ警告されていて、重量ベースで言うと、プラごみの量が魚の量を超えるとさえ言われています。
鳥だけでなく、珊瑚の免疫力を低下させたり、魚類はプラスチックの匂いに反応して食欲が誘発され、目に見えないような大きさのプラスチック粒子を食べてしまうこと、プランクトンも同じようにさらに細かな粒子を食べてしまっていることがわかっています。
以前も触れましたが、食物連鎖の中で有害な成分が濃縮される生物濃縮という言葉があるように、捕食者から捕食者へと汚染が濃縮されてしまうのです。
約116億個
こちらはティーバッグでお茶を入れた時に放出されたマイクロプラスチックの数。
人間の髪の毛は75000nmですが、さらにこれよりもさらに小さい100nmにも満たない大きさのナノプラスチックが約31億個も検出されたというデータもあります(オーガニックコットンのティーバッグなどで避けれます)
また、数年前から当たり前のようにするようなったマスク。
特に不織布製のマスクはプラスチック製なので、不織布製のマスクをすることでマイクロプラスチックを吸入していることになります。
私たちは1週間でクレジットカード1枚分のプラスチックを体内に取り込んでいるなんていう情報も。
日常的にマスクをつけることによるさまざまなデメリットについて今回は掘り下げることは避けますが、マイクロプラスチックだけでなく、環境ホルモンを呼ばれるような化学物質も一緒に吸い込んでいることになります。
これらの小さなプラスチック粒子が私たちの体内に入り溜まっていくことでどのような影響があるのかはまだわからないこともたくさんあります。
ただ、私たちより体が小さな動物たちの生態系に異常をもたらしていることは、数十年も前からわかっています。
小さな動物たちが身をもって示している警告はやがて人間にも返ってくるのではないでしょうか?
地球を借りている?
プラスチックによる海洋汚染は海底や北極圏にまで広がり、海に浮遊するマイクロプラスチック粒子は15兆〜51兆個にも及ぶと言われています。
これらは当然、人間が生み出し、人間の生活圏から海に流れついた物です。
歯磨き粉に使われているビーズ、柔軟剤に使われる香りが弾けるカプセルもプラスチック製。
コロナ禍の影響で2020年には15.6億枚もの不織布製のマスクが海に流れて来ていて、その結果、海洋を漂うプラスチックが4680〜6240トンも増加という話も。
2020年と言えば7月にレジ袋が有料化になった年になりますから、なんとも皮肉な話です。
海に辿り着くプラスチックは、元から小さいものもあれば、大きなサイズのものが海に流れて岩などで擦れてできた細かな粒子もあったりします
大きさはどうであれ、これらが地球をおかしくしてしまっているのは明らか。
飲み物はペットボトルから水筒に。お茶のティーバッグをコットンに変えてみたり、そういうお茶を選ぶようにする。量り売りのお店を選ぶ。などなど、少し工夫をすれば未来の角度は変わって、みんなが楽しめる地球になるはず。
真面目すぎないように楽しくワクワク取り組んで行くことが続けていくコツのような気がします。
地球に生きている私たちは、この星を未来の世代から借り受けて今を生きています。
私たちのご先祖さまも、そうして地球を残してきました。
今度は私たちの出番。
次の世代もその次の世代も、ずっとずっと先まで、心から楽しめる地球を残していきたいですね。