2021年9月27日

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水は命を守るとりで

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私たちが住む日本は、世界の中でもお水に恵まれている国のひとつです。
地球は、水の惑星と言われていますが、人間が飲める水は、地球のほんのわずかです。
以前にもお水の話をさせていただきましたが、水は、この地球の中で昔からずーっと、循環してきました。
地球が誕生してからこれまで地球上に存在する水の量は、1ミリも変わっていないと言われています。
お釈迦様が飲んで排泄した糞尿も回り回って、今でも地球上の誰かが飲んでいます。私かもしれないし、あなたかもしれません。
お釈迦様のだったらごりやくがあるかもって思った方、その他大勢の方が多いことも知っててくださいね。
話を戻して、地球は、水でバランスをとっています。
そして、全ての動植物は、水無しでは、生きていくことができません。
水は、お月さまと一体と言われてます。動植物の誕生と終わりもお月さまの影響を強く受けています。
私たちが住む日本では、水道水をそのまま飲むことができますが、世界中で水道水をそのまま飲める国や地域は、どれだけあるでしょうか?2018年国土交通省の調査によると、世界で安全に水道水を利用できる国は、9ヶ国と2都市のみであることが分かりました。
世界には約200の国がありますが、水道水を安全に利用できる国はコレだけです!
まだまだ水道整備は整っていない状況ですし、これから先もそう簡単には改善しないでしょう。しかし近年、アフリカでは水道水の改善に力を入れていて、安心して飲める国も出てきています。アジアの国で、水道水を飲める国は日本とアラブ首長国連邦(UAE)です。
ヨーロッパでは、そのまま安心して飲める国が7ヶ国、注意が必要な国が11ヶ国あります。
そのまま飲める国
・アイスランド・アイルランド・ノルウェー・フィンランド・ドイツ・オーストリア・スロベニア・ストックホルム(スウェーデン)

注意が必要な国
・スペイン・イギリス・スイス・クロアチア・デンマーク・フランス・イタリア・ハンガリー・セルビア・アンドラ・スウェーデン(ストックホルム都市部以外)

オセアニア地域の2か国では、キャンベラ(オーストラリア)とニュージーランドが飲用できます。
キャンベラを除くオーストラリア地域では注意が必要です。
安全に水を利用したいなら、購入する方が一般的ですが、キャンベラで販売しているミネラルウォーターはめっちゃ高いです。
ペットボトル1本約400円で販売されています。
実はオーストラリアは近年、水不足に悩まされており、水の価値が高くなっているようです。

アフリカでは、水道水をそのまま飲める国は1ヶ国、注意が必要な国は4ヶ国です。

そのまま飲める国

・南アフリカ


注意が必要な国

・レソト・ボツワナ・ナミビア・モロッコ


想像よりアフリカの水事情もよくなっています。驚いた方もいるのではないでしょうか。
ただし、そのまま飲めるのは、南アフリカだけです。


北アメリカでは、残念ながらそのまま飲める国は、ありません。

注意が必要な国

・ニカラグア・コスタリカ・パナマです。いずれも中央アメリカに位置する国です。
アメリカ・カナダでも安心して水道水を飲める地域はないようです。水は、購入するのが一般的です。

南アメリカでは、安心して飲める水道水は、ありませんでした。


世界の水道水事情を見てみると、どれだけ日本が恵まれているかがわかります。


しかし、日本でも約40年ほど前から浄水器が普及し始め飲料水は、購入するのが一般的になっています。

それでも、蛇口から出る水道水は、今でもそのまま飲むことができる安全なお水です。

その安全な水が飲めなくなる可能性、使えなくなる可能性が出てきています。

それが、『水道民営化』です。

どこの国の話しをしているの?と思った方もおられるのではないでしょうか。これは、日本の話しです。
そして、水は、命に関わるもっとも大切なものです。

学生時代、友人が光熱費を払わずに過ごしていると、先ず電気が止められ、ガスが止められました。最後に水道でした。彼は、危機を感じ水道料金を払い電気ガスも支払ってたの思い出しました。水道を止めると命に関わる問題になりますから最後の最後に止めるようになっているようです。


水道民営化に対して、反対運動も各地で起きています。なぜ、反対するのでしょうか?


それは、水道民営化をした国や地域では、水道使用料金が何倍にも値上がりし、水の質が下がり健康被害が起きるなど、数々の問題が起きた事例があるからです。現在、民営化した国や地域では、公営化に戻す動きになっています。

例えば、フランスのパリ市では、1985年に水道民営化を施行しました。しかし2010年、再公営化されたのです。というのもパリ市では1985年から2008年にかけて、水道料金が174%も増加。
再公営化後の調査によって、利益が過少報告されていたことも発覚しました。当時パリで副市長を務めていたいたアン・ル・ストラ氏は、経営が不透明で正確な情報が行政や市民に開示されていなかったと話しています。
174%も水道料金が増加した上に、きちんとした情報開示すらされていなければ、市民の不満が募るのも無理ありません。
30年以上にわたり民間企業に事業を託していたパリですが、結果として水道民営化は失敗に終わりました。
実は再公営化をしたのはパリだけではありません。他にもフランス国内ではニースや、アメリカのアトランタなど、2000年から2017年の間に276事例もあるのです。
アメリカのピッツバーグでは、2012年から2015年までヴェオリア社が水道給水を担当していました。その後の2016年、国が定めた基準を大きく上回る量の鉛が、水道水から検出される事態に。
ピッツバーグでは水道管と建物をつなぐ部分に鉛管が使われていました。しかし通常科学的に処理をして鉛の濃度を調整する必要があるにも関わらず、その対応がされていなかったのです。
結果、水が汚染されてしまい、長い間市民たちがその水を口にしていたことが発覚。
とくに免疫力が低い子供たちに健康被害をもたらす可能性があるとして、緊急事態となりました。
それにもかかわらず、ヴェオリア社は1年間の調停の後、一切の責任を取らないままピッツバーグを去ったのです。
事業を任されている間に1,100万ドルもの利益があったことから、鉛汚染に関して何かしらの責任があったはずという見解だったものの、責任を問うことはできなかったのです。
2019年にドキュメンタリー映画『最後の一滴まで―ヨーロッパの隠された水戦争』を観た時、水道料金が何倍にも跳ね上がり、料金を払えないところは、水道の蛇口を有刺鉄線で、ぐるぐる巻きにして、水を使えないようにした事例も出ていました。
お金が払えない人間は必要ないと言わんばかりのシーンでした。


さらに、一度民営化した水道事業を再び公営化させるには、手続きも複雑なうえに莫大なコストがかかります。


例をあげると、アメリカのインディアナポリス市では、2002年から水道事業を担当した民間企業が、水質の安全対策を怠ったり、市民へ過剰な請求をしたりしたことにより、2010年再公営化することになりました。しかし民間企業とは、あらかじめ期間を決めた契約をしています。当初20年だった契約を10年に短縮する代わりに、2,900万ドル(約32億円)もの違約金を払う羽目となったのです。ドイツのベルリンでも、水道公社の株を民間企業に売却した結果、水道料金の値上げや不十分な設備管理により、2013年にベルリンが13億ユーロ(約1700億円)もの資金を使って株を買い戻す結果となり、その資金は住民が支払う水道料金に上乗せされました。

日本人は、水は永久に、無尽蔵にあると思っている人が多いように思います。

人間は、恵まれすぎている物には意識もしなければ、気付くこともしないのです。

水道民営化も非常に危険ですが、よく理解していない人が多いなか、国会は十分な検証がない段階で水道法を変え、きちんと知らせようともしていません。民営化で、保証された水質をどのくらい確保できるでしょうか。
もっと怖いのは他国からの水の奪取です。中国や欧州は水に一番困っています。
中国は、あと約15年で飲水がなくなるとも言われています。
日本は水脈が多く、簡単なボーリングでミネラルウオーターが取水できます。山を売りたがっている地主は多くいます。民営化になれば、全国各地で外国との合弁企業ができ、国土の水源を売り渡すことになるかもしれません。既に、北海道を始め各地で起き始めています。


安全神話を作り上げ、メディアを通して繰り返し繰り返し同じ話題を発信し続け、あたかも安全かのように思わせる。この手法は、少し考えれば滑稽に思えてきます。目先の利益や私利私欲だけで物事を決めていくと、将来の付けは、何倍にもなって負の遺産として代償を払うことになることもあります。それを払うのは、決めた人間ではく、今を生きるわたしたちでもなく、子どもやその先の人々です。
原発は安全神話の塊でした。世界中でも最も地震が多い国で、相当数の原発ができました。事故が起きてからは、想定外という言葉を使い、直ちに健康には影響しませんと伝え、それまでの安全基準値を示す数値は緩和され、安全性を訴えていました。
過去、血液製剤、アスベスト、子宮頸がんワクチンにおいてもそうです。アスベストは、諸外国が使うことを禁止したものを日本は受け入れました。子宮頸がんワクチンでは、未来ある若い女性が被害にあいました。この2年間に起きている問題も同じことが言えるように思います。
問題が起きたら、トップが責任を取って辞任して終わり。この繰り返しをいつまで続けるのでしょう。
いつまで国民は、いい人お人好しを続けるのでしょうか。

私たち一人一人が、意識を変え感度を高めて自分の思いを表現していくことが大切だと思います。
2021年7月 宮城県において水道事業の運営権を民間に売却する「みやぎ型管理運営方式」が、県議会本会議で可決。日本国内の自治体で初めて、上水道が民営化されることになった。

「みやぎ型管理運営方式」とは、上水道・下水道・工業用水道という3つの水道事業をひとつにまとめて、20年間の運営権を民間企業に売却しようというもの。

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