延期されていたオリンピックが始まりました。開催に関しての賛否両論はありますが、代表選手のストーリーや活躍には、やはり熱いものを感じます。
さて、今回のオリンピックは1年ずれましたが、本来オリンピックイヤーはうるう年。実はこのうるう年、「4年に1度」ではないことを最近知りました。
うるう年の定義は
①4で割れる
②そのうち、100で割れる年はうるう年ではない
③ただし、400で割れたら、その年はうるう年
だそうです。
ややこしいですが、2000年はうるう年。2100年はうるう年ではありません。
400年に97回あるそうです。
私たちが日常的に使っている「西暦」は、地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間を1年としています。
1年は365日。
しかしながら、地球の公転周期は365.24218944日 という割り切れない数字で誤差が生じるため、調整が必要となります。
その調整日がうるう年の2月29日なのです。
このような太陽の周りを回る公転の周期をベースにした暦は『太陽暦』と呼ばれます。月は一切関係ありません。
私たちが「西暦」と呼んでいるでいる暦の名称は「グレゴリオ暦」
1582年ローマ教皇グレゴリウス13世が「ユリウス暦」を改良して使い始めた太陽暦のことで、元々はキリスト教徒の中で使用されていた暦が、今では世界中で使用されています。
日本は明治維新後の明治5年の改暦により、この暦が採用されました。
それ以前は、「旧暦」や「陰暦」と呼ばれる『太陰太陽暦』を使用していました。
こちらの暦は新月を月の初め「朔日」とする暦で、新月から新月までの29.5日を1ヶ月(29日or30日)と数える暦。
月の満ち欠けをベースにしつつ、太陽の動きも取り入れています。
月の満ち欠けは、私たちにとって切っても切れない関係。
例えば、女性の生理周期だったり、満月の日には出産が多かったり。
また満月の日には犯罪や事故が多いという調査考察もされています。
そして何より、私たちの大切な臓器には「月」がついています。
心臓・肝臓・脾臓・腎臓・胃など。。。
更には、海の満ち引きなど、人間だけでなく、地球も月の影響を受けていますし、
「波のリズムは呼吸のリズム」と、以前のコラムでも書かせていただきましたが、月と海と私たちは密接な関係があります。
今でもなお、お百姓さんたちは月の満ち欠けで種を蒔くタイミングを決めたりしていますし、沖縄では普通に旧暦を使っている地域もあります。
沖縄時間と呼ばれる、あののびのびとした県民性は、そんな自然のリズムで自然と共に過ごしているからなのかもしれません。
そういう観点から見て、世界と関わり、社会で生きるためには、利便性を考えて西暦を使うのが妥当だとは思いますが、自然の一部であるわたしたちにとって、月のリズムである『太陰太陽暦」は、心と身体のリズムに合う自然のリズムで、健やかに自分らしく過ごせるように個人的には感じています。
~暦はリズム~
素敵な演奏もそれぞれのパートのリズムが狂うとハーモニーが乱れます。
ひとりひとりの心や身体を整えるのはもちろん大切なことですが、分断が起き始めている現代において、人と人の調和を保つこともまた大切なこと。
自然のリズムを生活に取り込むことで、自らが整い、少しでも社会の調和を保つことにつながれば、世の中はもっと優しい社会になるように思います。
生まれた時から毎日、何の疑いもなく、あたり前に使っている暦について、今回はオリンピックをきっかけに少し深めてみました。なかなか暦について考える機会などないかもしれませんが、これを機に少し意識を向けていただけたら、うれしいです。
まずはお月様を見上げることから始めてみませんか?