目には見えないこと

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私たちには「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」という「五感」が備わっています。

この中でも視覚からの情報は8割にまで昇ると言われていて、細かく分類すると視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%で情報を収集しているそうです。

実際にはこれらが混ざりあって1つの情報となるわけですが、とりわけ視覚はとても大きな役割を占めていることが分かります。

しかしながら、世の中は陰陽のバランスで表裏一体。

太陽があれば月があり、光があれば影があるように、見えるものがあれば、見えないものも存在します。

目で認識できるものと、できないもの。

小さすぎて見えなかったり、速すぎて見えなかったり、遠すぎて見えなかったり、また近すぎたり。

目で見えないものがどれ程のボリュームなのか、見えてはいないので分かりませんが、見えないものは確かに存在しています。

【常在菌との共生】

例えば、私たち人間の体には100兆個を超える数の常在菌が存在していると言われ、宿主である私たちの健康状態や生活環境と複雑に相互作用しながら共生しています。

皮膚についている常在菌が皮脂を食べて乳酸などの有機酸を出してくれているお陰で、人の皮膚は弱酸性となり、この酸性が人を病原菌から守ってくれているのです。

見えない存在の菌は私たちの生活を日々支えてくれているものでもあります。

そのことに注目して、ちょっと立ち止まって考えてみると、なんて神秘的で計算し尽くされたサイクルなんだろうと感じます。

目に見えないものは物質的なことばかりではなく、精神的なことにも当然、存在しています。

人々は、太古から目に飛び込んでくる情報が少ない時ほど、目に見えない物をより強く信じていたのかも知れません。

旧約聖書の創世記にノアの方舟の話があります。

アダムとイブから何代も経た後に、人間が増えすぎて神様のコントロールを外れ、神様の存在を無視して悪事を働く者が増えたことから、神様はまず人の寿命を120年までとします。

しかし、それでも好き放題を止めなかった人間に神様は怒り、大洪水を起こすことを決めます。

ただ、神様の存在を信じ、従って、真面目に毎日を過ごしていたノアには大洪水を起こすことを告げ、大きな方舟を作り、そこに家族とあらゆる動物のつがいを1組ずつ乗せるように伝えました。

神様の言葉を信じたノアは方舟を作り始めますが、それを見た民衆はこんな山に洪水なんて来るはずがないとノアを馬鹿にします。

その後、40日間の大雨が降り、ついに大洪水が起きて世界中が水に沈みました。

方舟に乗っていたノアとその家族、1組ずつの動物のつがいは無事に助かりました。

ノアのここまでの生き方は「お天道様が見てる」という日本人の感覚にどこか似ているところを感じます。

ちなみにノアの方舟については、その残骸がトルコのアララト山(聖書で方舟がたどり着いた山)の付近で見つかっているそうです。

人間関係の構築やビジネスにおいても、見えないものは大切にされてきました。

経営の神様と言われた松下幸之助さんは「目に見える要因と、目に見えない要因、その両方を考えないといかん」と言っていました。

この言葉から、考えや哲学、思い、心構えなどを大切に見てきたことが分かります。

【免疫負債?】

2019年12月に中国で見つかったとされる目に見えないウィルスは、その後瞬く間に世界中へと広がり、2020年から今に至るまで、私たちの生活をこれまでとは全く異なった物に変えました。

肉眼では小さすぎて捉えることができないウィルスに、今も世界中が混乱しています。

人との接触を避け、一定の距離を保つ。

マスクを常用して、手指は除菌や消毒。

菌やウィルスという見えないものから逃げることばかりの衛生対策のしわ寄せで、子供は免疫が育たず「免疫負債」という言葉まで出だしました。

母親が妊娠中にRSウィルスに晒されなかったことが原因で、この春にアメリカでRSウィルスが赤ちゃんに大流行したのです。

この傾向は日本でも現れています。

本来、体を守ってくれる常在菌を他の菌と一緒にしてしまい、菌に対して過剰に衛生対策を取っている為だと言われています。

このことは、見えない存在を必要以上に怖がってしまっていることから起きているのではないでしょうか? 

大人たちの選択によって、未来ある子供たちが不要なはずのリスクを抱えてしまうことを避けるためにも、菌やウィルスに対する対策を根本的に見直して、人間が本来持っている免疫力を高める生活に切り替えていく必要があると強く思います。

【本当に大切なことは目に見えないんだよ】

「本当に大切なことは目に見えないんだよ」

これはサン=テグジュペリが書いた『星の王子さま』に出てくる有名な言葉です。

今は目で見えることが多すぎて、目に見えないものとのバランスが崩れている、そんな状態の世の中なのかも知れません。

目の前には気づいていないだけで、本当に素晴らしい世界が溢れています。

そのことを忘れずに毎日を過ごし、その素晴らしさを次の世代にも繋いでいきたいと思います。

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