種をつなぐことは、命を繋ぐこと

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9月に入り、朝晩に少し季節の移り変わりを感じられるようになりましたが、まだまだ残暑厳しい今日この頃です。

先月、奈良にあります、『清澄の里 粟』さんにお邪魔してきた時のこと、今回のコラムは

そこに触れてみたいと思います。

〜家族野菜を未来につなぐ〜

清澄の里の三浦さんご夫妻が執筆された本。

家族野菜って?なんだろう、、、この本を手に取った方がクエスチョンに思うように、私も同じように感じました。

今から20年以上も前に、新婚旅行先のアメリカで、ネイティブアメリカンの文化に触れたことがきっかけで

奈良県の伝統品種を求める旅が始まったというお二人。

大和伝統野菜を探訪する日々の中で、農家の方々の「子どもたちが好きだから」「手間暇かかるけど家族が楽しみにしているから」

という言葉と表情に魅せられ、大和伝統野菜は家族の喜ぶ顔を思い浮かべて育てられる『家族野菜』なのだ、と。

『伝統野菜』とは、世界各地で古くから栽培・利用されてきた野菜の在来・固定種のことをさします。

これは、何代も採種を繰り返していくうちに自然とその土地の気候風土にあった野菜の個性が定着し、

遺伝的性質が固定していったもので、昭和30年代頃まで日本で生産・販売されていた野菜のほとんどは、

この『在来・固定種』です。

そして日本の食文化は、その種から生まれて来たのです。

三浦さんご夫妻は、遊休農地を何年もかかって開墾し、畑を作り、種を蒔き、育て、収穫し、拠点となる

『清澄の里 レストラン粟』を造られました。

伝統野菜を探訪する旅を始められた時は、わずか9種類であったそうですが、県内を隈無くまわり、

農家さんの話を聞き、様々な人のご縁で、32種類もの伝統野菜を蘇らせ次世代に繋ぎ、またその活動を

幅広く広めて行かれています。

常に、様々な方のご縁のお陰で、農家さんに教えてもらって、と仰います。ご夫婦のお人柄が、こちらのレストランからも滲み出ていて、その建物も、空気も、風景もお料理も全てが優しく、共鳴し調和している、なんとも居心地の良い場所なのです。

お料理の伝統野菜は全て、周りの畑で育て収穫されたものばかりで、初めてみるお野菜がほとんどです。

その野菜の個性や特徴をグンと引き立たせたお食事は、目で見ても美しく、

一つ一つの野菜がしっかりと主張つつも馴染んでとてもとても美味しいのです。

私ちが口にしている野菜は、いつか誰かが私たちに残してくれた種から、それを繋いでこられた人がいて、

そうして作られているのだということを感じずにはいられません。

高度成長期、経済発展の恩恵を受け、便利で何でも手に入り、諸外国の食材も豊富に口にすることができます。

けれど、その間に食文化や伝統文化、日本人としての知恵も忘れ去られてきたような気がします。

生活の殆どを循環できていた時代から、近代化に伴い、昔の暮らしがどこか色褪せて見えていた時もあったでしょう。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

自然環境を生かしながら、調和し共存、そして恩恵をいただく。

昔のそっくり真似はしなくとも、現代でも出来るやり方で、農的暮らしは実現できると考えます。

三浦さんご夫妻が書かれた本の中に、「半農半X」というキーワードがありました。

「持続可能な農のある小さな暮らしをしつつ、天の才(個性や能力、特技など)を

社会のために生かし、それぞれの天職(X)を行う生き方、暮らし方」と定義されているそうです。

まさに、今の現代を生きる私たちそして次世代の人たちに繋いでいける生き方ではないでしょうか。

大きな畑が出来なくても、家庭菜園やベランダ菜園、小さな農を楽しむ暮らし。

出来る範囲で取り入れる、そんな人が増えることによって、忘れかけた日本の良さや食文化、

自然と結びつくことによって得られる豊かさ。

そして、種を採り、また蒔き、それを次世代に繋いでいく。とても明るい未来に向かっていくと思います。

今回、三浦さんご夫妻からご提供いただいた固定種、レッドエピキュアの種。

楽しんで、繋いでいきたいと思います。

レストラン粟は、沢山の方に、オススメだよ〜〜〜って言いたい反面、特別な場所としてそっとしまっておきたい

そんな場所でした。

開墾までの道のりは本当に大変だっただろうなぁと、本を読ませていただいて改めて感じました。

私たち、地球LaboのAgriPoucher®︎都市型農業、小さな農を沢山の方に取り入れていただけるよう、

これからも発信していきたいと思います。

どんな小さなお野菜でも、ぜひ、種を採ってみてください。

何か、不思議な安堵感に包まれます。これはきっと、人間の本能なのではないかなって、思っています。

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