引き算という選択肢

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突然ですが、質問です。

4本足のベッドがあります。ところがこのベッド、その4本足のうち、3本が外れてしまっていて、とても使い物になりません。

このベッドを使えるようにするために、あなたはどうしますか?

このような質問をすると、大半の方が「外れている3本を付け直す」と答えるそうです。

「付いている1本を外す」と答える方は少数。

同様にレゴを使った構造に関する実験で、2021年の4月にバージニア大学の研究チームの「Adding is favoured over subtracting in problem solving(問題解決では、引き算よりも足し算が優先される)」という論文がサイエンス誌のNatureに掲載されています。

これは、レンガに見立てた四角の土台を作り、その上に屋根に見立てた板状のレゴを乗せたもので、この屋根を奥の角にあるたった一本の柱が支えているというものでした。

そして、この屋根の上にレンガを乗せると、屋根がバランスを崩して人形を押し潰してしまうという設定の元、どのように構造を変えれば人形を押し潰すことなく、屋根の上にレンガを乗せることができるか?柱に見立てたレゴブロックの追加は1つあたり10セントかかることを付け加えた上で考えるように指示を出しても、大半の人はバランスを取るために柱を追加することを選んだそうです。

元からある柱を取り除いてしまえばコストもかからずにバランスが取れるはずなのに…。

これは「ヒューリスティックス」の一種であると言われています。

足るを知る?

私たちは日常のさまざまな問題解決の中で

・時間をかけて確実な方法を取る「アルゴリズム」

・少ない手がかりで解決方法を探り時間の効率化を図る「ヒューリスティックス」

この2つの解決方法を使っています。

そして、脳は大量にエネルギーを消費するためか、考えることにおいて近道を使おうとしてしまう傾向があるので、先ほどのような選択を選びがちになってしまうようです。

しかし、この傾向は私たちが抱えている環境問題などの社会課題などにいろいろな影響を及ぼしています。

環境問題が解決しないのは、考え方について引き算が苦手なためと言われているのです。

健康に関しても同様で、不調を感じる箇所のために健康食品を摂るというのも同じ足し算です。

今の状態になっているのは、これまでの生活習慣に原因があります。

食べているものが原因なのか。睡眠時間が足りていないのか。普段の姿勢が身体的なストレスとなっていないか。物事の捉え方で自らを精神的に追い込んでしまっていないか。

これらを考える前に、病院に行って薬をもらったり、サプリメントを摂り出したりします。

ですが、そうするよりもまず、悪影響となっている習慣を見つけ出し、それを「やめる」という引き算をするのも素晴らしい選択になるはずです。

何かを付け足して解決するのではなく、現状のものを何かやめてみる。

やめてみると意外となくても大丈夫だったりするものです。

これも「足るを知る」という捉え方かも知れませんね。

年間1億2000万キロリットル

さて、何がこれだけの量なのか分かりますでしょうか?

これは、私たちの暮らす日本で1年間に消費されるシャンプーの量です。

販売量のベースから計算されたものなのであくまで推測になりますが、これだけのシャンプーが排水と一緒に流れ、それが川へと流れていき、やがては海に流れ着きます。

シャンプーだけの見てもこれだけの量なので、ここに食器洗剤や洗濯洗剤、柔軟剤なども加われば膨大な量になりますね。

ここ最近では以前に比べ、環境に配慮したシャンプーを選ぶ方が増えてきているいますが、実は、髪の汚れは水だけでも8割は落ちると言われています。

シャンプーは減らしても、髪の汚れを落とすことはできるのです。

シャンプーだけでなく、例えば、ゴミを減らす。必要以上に買わない。資源の無駄遣いを減らす。物を大切に使う。マイ箸を持ったり、マイバッグを使ったり、水筒を持ち歩いたりー。

ちょっとしたことでできる楽しい引き算は日常の中にたくさんあります。

「引き算」を取り入れていこう

以前、シリーズで触れたように、私たちの地球の営みの循環の中に生きており、目に見えない微生物の働きもその循環の中で、非常に重要な役割を果たしています。

私たちは目に見える存在も見えない存在も、お互いに影響しながら、支え合っているのです。

そこに人間が悪い影響を及ぼすものを持ち込めば、この循環は鈍化し、あらゆるものに影響を与えます。

でも、これは逆も然り。

何を新たにするか=足し算

何をしないか=引き算

まずはこの何をしないかという引き算を取り入れて、地球の営みの妨げになることは可能な限り減らしていきたいですね。

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