2021年12月14日

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小さくて偉大なる微生物

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前回のコラムでは、人における多様性について書きましたが、この流れのまま、今日は私たちの住んでいる大切な地球における多様性について書いてみたいと思います。実は身近なことなのに、知らないことがたくさんあり、調べてみるととても興味深かったので、簡単ではありますが、シェアさせていただきます。

私たち人類は地球上の食物連鎖の頂点にいて、常に人類を主として考えていますが、私たちは単なる消費者であり、生産者はこのピラミッドを支えてくれている生物たちだということを忘れてはいないでしょうか?

私たちは狩猟の時代から肉や魚を食べるようになりましたし、古来より植物の恩恵を受けて生きてきました。しかし、そのベースには微生物の存在があります。

「微生物を食べたりしないし」とか、「微生物ってなんか気持ち悪い」とか、「そもそも菌なんて有害なんじゃない?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私たちはこの生態ピラミッドの一番下でしっかり支えてくれている微生物についてほとんど情報を持っていないように思います。

ひとつひとつの存在はとても小さすぎて見えません。だから科学の世界においても、技術の進歩を待たないと未だに存在そのものに気付くことすらできないものもあります。

けれど、私たちの暮らしには切っても切れない存在だということを今日はお伝えして、少しでも微生物に関心を持っていただけたらうれしいです。

いつものことながら、質問させてください。

微生物は藻類・偽菌類・原生動物・細菌・古細菌に分類されますが、これらの微生物はいったいどのくらい存在するでしょうか?

なんと驚くことに、100穣個だそうです!!!

と言われても、ピンとこないですよね?

穣は兆・京・垓・𥝱の次の単位で、100穣個とは10の30乗個。

1個1個の微生物は小さすぎて肉眼では見えないサイズですが、その全部を1列に並べると、なんと1億光年の長さという、世界人口をはるかに超える天文学レベルの数になるというのです。

それほどまでの大量の微生物が、どこに生息しているのかというと、土壌や川・海はもちろん、動物・ヒトの体内や皮膚、植物の根圏や家の中、更には人間が住むことのできない過酷な自然環境である成層圏や海底、氷山、火山噴気孔や岩塩鉱床など、地球のありとあらゆるところに生息しています。ですから、見つかっていない微生物がまだまだ数多く存在するということです。

微生物の中には、コレラ菌や黄色ブドウ球菌など、ヒトの命を脅かす存在がいるのは事実です。しかし一方で微生物がいないと、ヒトは生きていけないという働きもあり、私たちは意識していないところで、大いに微生物の恩恵にあずかっています。

身近なところで言うと、キノコ類は微生物の仲間。おいしくいただいています。

そして、味噌・醤油・酢などの調味料や納豆。パンやチーズ・ヨーグルト、漬物。更にはワイン・ビール・日本酒に至るまで、いろんな発酵食品はすべて微生物の働きによるものです。かつお節もそうですね。高級な枯節(かれぶし)と呼ばれる鰹節の表面についている粉はカビの一種です。

病院でもらう抗生物質も元々は微生物から見つかったものです。コレラや結核、赤痢など細菌感染症の治療が可能となったのも微生物のおかげです。

さらに私たちの気づいていない働きとして「地球のお掃除」があります。

多くの動植物が地球上で生まれては死んでいきます。動物は、草食であれ、肉食であれ、栄養を摂ったら糞をします。その多くの死骸や糞を私たちは見ることがありません。なぜなら、私たちの目に届かない所で、最終的には微生物が分解をして、二酸化炭素と水に変えているからです。もちろん持ちつ持たれつの関係です。死骸や糞は微生物のえさになるわけですから。でも、この微生物の働きがなければ、私たちの身体は生物の糞や死骸で埋め尽くされることになります。ぞっとしますよね。

そして、その植物や動物の糞や死骸に含まれていたさまざまな栄養分を「分解」し、土や水の中に戻してくれる大切な働きもあります。

山の中の木々の成長にも、そこに住む動物たちの生活にも大きく関与しています。そして、もちろん私たち人間の食生活にも。

植物の枯れた葉や根を土壌生物が食べ、その生物が更に他の生物のえさとなり、排せつや死を繰り返していく過程の中で、植物が光合成では獲得できない元素や化合物に変化していき、肥沃な土壌を作ります。そして、そこに落ちた(蒔かれた)種からまた新たな植物が育っていくという循環が、私たちの食卓を彩ってくれ、生命を維持し続けてくれているのです。

大切なことなので繰り返します。肥沃な土地には、大きく微生物が関わります。

しかしながら、現代農業では、世界の人口が年々増加傾向にあり、生産性を上げることが必要になったので、害虫による被害抑制のための農薬や、除草作業負担軽減のための除草剤などを使用し始めました。その結果、無害な(というより有益な)虫や微生物までも死に至らしめてしまっています。虫や微生物が減少すると、当然土地はやせてきて、野菜の育ちが悪くなります。土壌の栄養が足りていないから、今度は化学肥料を投入します。化学肥料は短期的には功を奏しますが、長期的に見れば土壌を汚染し、植物の健康を害することになります。

本来システム化された循環があるにも関わらず、人類の身勝手で、その偉大なる循環システムを遮断してしまっているのです。

日本では、有機栽培農産物は、種まきや植え付けの2年以上(多年生作物の場合は最初の収穫の3年以上)前から、農薬・化学肥料・除草剤を使っていない田畑で作られたものと定義されているように、農薬・化学肥料などは何年もそこにとどまるから、使うのをやめたからと言って、すぐに元に回復するわけではありません。時間をかけて、また虫や微生物などの土壌生物が少しずつ少しずつ自然の循環に戻し始めてくれるのです。私たちはそれをただサポートすることしかできません。最終的な消費者なのですから。

これらのことを踏まえて、私たち地球Laboは、地球とそこに住む生命のために、まずはできることからと考え、現在、都市型農業推進の取り組みであるAgripouther事業の一環として、生ごみコンポストを開発中です。ご家庭の生ごみを微生物の力で分解し、肥料として用いるという小さな循環を各ご家庭で生み出していっていただきたいと考えています。

事業内容に関しましては、近々、正式に発表する予定ですが、このコラムを書き連ねる中で、なぜコンポスト事業に取り組むことになったのかという背景を知っていただける機会にもつながるテーマだったように感じています。

そして、いろいろ調べていく中で、私たちの身体と微生物との関係にも、とても興味深いものがありましたので、また機会がありましたら、続編を書いてみたいと思います。その時は、またご一読していただけると幸うれしいです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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