2021年11月29日

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五感をフルに使って季節を感じよう

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寒さが日増しに厳しくなってきました。

私の住んでいる大阪もまだ暖かい日が続いていると思っていたら、一気に気温が下がりだし、気づくと紅葉が秋の色に。

街路樹のイチョウの葉っぱの黄色い絨毯が歩道を覆いだしました。

街はもうイルミネーションで冬の装い。

慌ただしい感じですが、すっかり鍋の美味しい季節になりました。

旬の食材

年の瀬も迫るこの時期は、大根や牛蒡、蓮根、人参などの根菜類、春菊、ネギ、小松菜などの葉茎菜類が、魚類ではカワハギやブリ、タラ、ハタハタ、牡蠣などが旬でとても美味しくなります。

春夏秋冬、それぞれの時季の旬の食材がありますが、最近ではスーパーなどで季節に関係なく食材が手に入るようになりました。

昔は旬の時季にしかその食材は食べることができませんでしたが、今は一年中どの時期の食材が手に入れれるので、季節の食材を知らない子供もたくさんいるそうです。

一足早く旬を食べる「はしり」

最も美味しいタイミングの「さかり」

旬がすぎた時季を惜しみながら食べる「なごり」

という食文化も、季節を楽しむ一つの方法でした。

旬は季節の食材として最も美味しい時季だけではなく、季節外れの食材に比べて栄養面でも優れていることが分かっています。

野菜だけではなく、魚介類も最も脂の乗った時期は、やはり栄養価が高いようです。

四季の移ろい

季節は味覚だけではなく冒頭で触れた景色も楽しませてくれます。

春の時季の淡いピンク色の桜や新緑の頃の樹々。

夏になれば深緑の大自然や青々とした空と夕暮れの赤いグラデーション。

秋の時季の紅葉に染まった赤い山々。

冬には雪が積もった白銀の世界。

ウグイスのさえずり、セミの鳴き声、鈴虫の鳴き声、雪を踏み締めた足音。

耳から入ってくる音も季節を感じさせてくれる要素です。

俳句に使われる季語、手紙に添える時節の挨拶、暑中見舞いや寒中見舞い、年賀状。

私たちは古くから、季節の移ろいを感じ、生活の中に取り入れてきました。

太陽暦と二十四節気

7世紀ごろから江戸時代まで、日本ではいわゆる「旧暦」の太陰太陽暦が使われていました。

太陰太陽暦は月の満ち欠けと太陽の動きを掛け合わせたもので、明治5年まで使われていました。

この旧暦では毎年同じ月日であっても季節にずれが生じます。このことは農業にとっては深刻な問題であることから、1年をまず、昼が一番短い冬至と一番長い夏至の2つに分け、春分と秋分を加えた4分割で四季に分け(二至二分)、そこから約15日ごとに24等分に分けた二十四節気ができました。さらにそこから二十四節気をより細かく農業や暮らしに合わせて5日ずつの3つに分けて七十二候が生まれてきました。

世間ではうなぎがとても売れる土用というのは雑節にあたります。八十八夜や入梅も同じ雑節にあたりますが、二十四節気は中国から伝わったものの、雑節は日本人がより季節を感じれるようにと考えられたものです。立春・立夏・立秋・立冬からの18〜19日間のことを土用と言い、五行説の中の火・水・木・土・金の「土」が由来になります。土には万物を育む気が宿るとして、土地の神の怒りに触れぬよう、穴を掘ったり、土を運んだりするような作業は避けられてきました。土用丑の日に「う」のつく食べ物を食べて精をつけるということが一般化されていますが、本来、土用は野草のエネルギーがとっても高い時季で、夏土用のうなぎは旬の時季ではありません。うなぎの旬は冬で、夏はやせ細って売れないことから、土曜丑の日に鰻を食べる風習を平賀源内が考えて繁盛させたというのが、うなぎが食べられるようになった始まりと言われています。

明治6年からは太陽の動きに基づいた太陽暦(グレゴリオ暦)が取り入れられます。太陽暦は1582年に制定されて以来、ヨーロッパの国々で広く使われていたものでした。明治政府が太陰太陽暦を取りやめて、太陽暦を採用すると発表したのが明治5年の11月9日。太陽暦の新年に合わせると、明治5年の12月3日が1月1日にあたるため、明治5年は12月が2日しかなく、明治5年12月3日が明治6年1月1日になるという事態に陥りました。それはもう大変な混乱が起きたことは想像に難くありません。当時は通信手段がようやく整備され出した頃なので、実際にこの情報が届いた時には、太陽暦に切り替わって年が明けてしばらく経っていたという方もいたそうです。今では全く考えられない出来事ですね。

太陽暦が使われるようになっても、二十四節気の考え方は季節を把握するために重要であることから、今でも大切にされています。

人と地球ともにHappyになることを

日本の特徴を聞かれたときに「四季がある」と答えるのはよくある話ですが、四季がある国は何も日本だけではありません。

ですが、中国から伝わってきた太陰太陽暦にさらに日本人独特のアレンジを加えていたところからも、日本人の私たちは自然をとても身近に感じていることをうかがい知ることができます。

これから年末に向けて寒さが増してきます。

この数年、夏は暑さによる熱中症対策が話題になりますが、冬の寒さはやはり生命の危険が他の月に比べて多くなる時期です。

特に1月は亡くなる方が一番多い月になり、一番少ない月に比べ、平均1.4倍多くなるそうです。冬の景観は夏に生い茂っていた樹々の葉っぱが枯れ落ちたり、野生動物が冬眠をする季節になります。どこか儚さを感じるのはこのことからなのかもしれません。しんしんと降る雪が積もってはやがて溶けていく…。この侘び寂びを感じる静寂さと儚さは冬独特のものですね。

紅葉や雪景色を見ながら季節の移ろいを感じ、その時期の旬の食材を食べること、四季折々に咲き乱れる花の香り、虫の鳴き声や雪を踏み締める音、暑さや寒さを感じることを楽しむことも自然との調和や対話、地球を大切に考えるということにやがて繋がっていきます。

地球にやさしいは人にもやさしい。

「人と地球ともにHappyになることを」これは私たち地球Laboが最も大切にしているテーマであり、私自身もとっても大好きな生き方です。

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